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ひろまさ(@hiromasa79)です。
実はここ最近、このブログの方向性というものについてずっと悩んでいました。とりあえず記事を書く、3ヶ月で100本の記事を書く、考えるのはそこからでいい。このような意見は色々なところで言われていることだし、私も頭では理解しています。
けれど、もっと根っこの部分で
という問いに、きちんと自分で整理できていないまま過ごしていました。
結果、奥さんには
と言われるように、自分でも迷子になっている状態でした。
そんな中、昨日新しく記事を1つ書きました。
ただそれだけの気持ちで書きはじめたんですが、途中で治療中の出来事を思い出して泣いてしまい、何度も手が止まりました。
「あぁ、自分はこういうことが言いたかったんだ、伝えたかったんだ。」
書き終わってみると、不思議と気持ちがスーッとするのが自分でわかりました。
なぜ、言いたいこととやっていることが、今までちぐはぐになってたのか?ってことを自分でわかっていないと、またいつか同じことでブレてしまうんじゃないかと思ったので、きちんと自分に向き合って、考えたことを書いていきたいと思います。
本当に、ただ自分のために考えたことを書いているだけなので、興味のある人だけ読んでください。生きるとか死ぬとかが嫌な方は不快になると思うので、読まない方がいいと思います。
ざっくり記事を読むための見出し
一度は人生を諦めた
私は、2015年4月17日に病名の告知を受け、治療を開始しました。
突然の出来事すぎて、治療計画から何から、訳が分からない状況で承諾書にサインをし、その日の夜からすぐに治療が始まったのを覚えています。
白血病について全く知識のなかった私は、とにかくネットで情報検索をすることしか思いつきませんでした。
しかし、いざ調べてみると・・・
などなど、ネガティブな情報ばかりが目につきます。
急性白血病患者の方のブログを見ても、すでにお亡くなりになっていたり、身内の方が「何月何日に永眠しました」と代わりに書いて更新が止まっている、なんてことも多いです。
治療も始まったばかりで、主治医は「大丈夫、今は新しい薬もあるから昔とは違うよ」と言ってくれてるにもかかわらず、自分で調べた情報が正しいと思い込み、落ち込むばかりでした。この時期は、「自分の人生はもう長くないんだろうなぁ・・・。」と他人事のように思うことでしか、気持ちが保てませんでした。
ツイッターが転機に
5月に入り誕生日を迎え、家族からお祝いをしてもらった時のこと。
「来年の同じ日にも、こうやって家族と一緒に笑っていたい」、「子どもの大きくなった姿をこの目で見たい」、月並みかもしれないですが、家族と食事をしながら自然とそんなふうに思う自分がいました。
今の自分のままでは、このまま病気に押しつぶされるかもしれない。気持ちを切り替えるためにも「なにか新しいことにチャレンジしよう!」と思い立ちツイッターを始めることにしました。
これまでは照れくささもあって全く使っていませんでしたが、勇気を出してツイートをしました。
今日の採血結果でた
CRP数値低下
マキシピーム効果なの?
血小板やっと2.0L突破♪ pic.twitter.com/g4wJFtX69I— ひろまさ@Ph+ALLサバ (@hiromasa79) May 5, 2015
何が言いたかったのか今から見ると恥ずかしい限りですが、このツイートを見た、ある元骨髄性白血病患者(いまは寛解されている)の方から「元患者として、治療がうまくいくように応援してるよ」というメッセージをもらいました。
「自分だけが苦しいんじゃないんだ」、「見てくれている人がいるんだ」と感じられて、心から嬉しかったです。この日を境に、自分から同じような病気の人を検索してはフォローを増やしていくようになり、少しづつ前向きな考え方ができるようになって行きました。
抗がん剤の副作用で苦しい時も、病気の再発がわかって落ち込んだ時も、いつも乗り越えることができたのは、一緒に戦っている仲間がいたからだと断言できます。
白血病治療の本当の辛さ
抗がん剤によるガンの治療が苦しく辛いものというのは、真央さん(市川海老蔵さんの奥さん)のブログを読んだことがある人なら分かると思います。
私も、
など、文章では伝えきれない苦しみを沢山経験しました。
でも自分の体に起こることは、どんなに苦しくても繰り返せば馴れていくし、我慢すればだいたいの事はなんとかなります。
本当に辛いのは、「自分の家族から笑顔がなくなること」
家族同伴の病状説明受けてきましたょっと。ざっくり言うと、今の自分は予後不良因子の総合デパート状態!
○T315I遺伝子変異による再発
○非寛解状態での移植治療
○ハプロ移植によるリスク
両親、姉、妻、全員あっけにとられるしかなかった。自分じゃない人の心が折れる音は本当に辛い— ひろまさ@Ph+ALLサバ (@hiromasa79) August 21, 2015
このツイートは初めての移植の時、インフォームドコンセントを受けたあとに書き込んだものです。
それまで、ぼくが治療で苦しんでいる時に「絶対なんとかなるよ」と笑顔で励ましてくれていた両親と自分の奥さんでしたが、さすがにこの時ばっかりは言葉もなく、ただただ泣いていました。
自分の大切な人を思い出してみてください。その人はどんな顔をしていますか?
きっと、あなたに向かって微笑んでいるはずです。
ぼくも、大切な家族の笑顔が見たいです。
でも、自分のせいでその大切な人が涙を流している、それを自分ではどうしようもできないという無力感や絶望感は、言葉ではうまく言い表せないです。今思い出しても涙が止まりません。
いきるということ
思い返せば、本当の意味で「生きたい」、「生きてこの人たちに笑顔になってほしい」と心から病気と向き合えたのは、この時からだと思います。
抗がん剤の治療は苦しかったですが、治療計画どおりに寛解導入がうまくいき、その後の経過も順調に進んでいたため、どこかで「たいしたことない、大丈夫」という気持ちも少なからずありました。
言い換えると、「自分が死ぬかもしれない」という現実を直視できずに、ただ逃げていただけかもしれません。それが、病気の「再発」という形で目の前にふたたび現実を叩きつけられたのです。「もう逃げられない」、「運が悪かった」、「なんで自分なんだろう」、自分がいちばん考えたくなかったネガティブな言葉しか浮かんできません。
しばらく考えたあと、自分の気持ちを整理するためにこんな書き込みをしました。
目一杯前向きにと思う
でも、考えずに突っ走るのは違うと思う
自分と関わる人、
全ての人にとって納得の行く戦いをしたいと思います
今日は改めてそう思いました
ちょっと泣いてくる— ひろまさ@Ph+ALLサバ (@hiromasa79) August 21, 2015
「どのみち死んでしまうのならば、どんな姿を周りの人の記憶に残せるのか?」、この日の夜はずっとそのことだけを考えていました。
そしてでてきた答えが「とことんまで諦めずに、生きるためにできることだけを考えて生きる」ことでした。「明日、死んでしまうかもしれない」ということを考えて考えて、そして受け入れた上で出した結論が「生きるためにできることを諦めないこと」でした。
そのあと移植、2度目の再発、難治性の遺伝子異常発覚と、たたみ掛けるように大変なことが起こりますが、もう気持ちがぶれることはありませんでした。
家族集めての治療報告と説明受けてきました
骨髄内での爆発的な腫瘍細胞の増殖確認
キロサイド大量投与で腫瘍細胞減らした後、12月上旬に臍帯血移植の流れ
…ただし、移植直後という事で全身状態管理が困難を究めるであろうこと、またその過程で命を落とすことも少なくないとのこと
つづく— ひろまさ@Ph+ALLサバ (@hiromasa79) November 17, 2015
つづき
今回、初めて治療を受けますか受けませんかという
明確な問いの後、主治医が沈黙しました
妻、両親共にうつむいていて目は会いませんでしたが、自分は間髪おかずに力一杯の声でお願いします!!と応えました
全ては無事を願ってくれる人たちのため
病気を克服した将来の自分を想像して— ひろまさ@Ph+ALLサバ (@hiromasa79) November 17, 2015
去年のクリスマスに2度目の移植を受けましたが、これはその移植についてインフォームドコンセントを受けた時のツイートです。この時ももう、迷いはありませんでした。
「人は守るものがあると強くなる」、は本当です。大切な人の笑顔が見たいという気持ちは、チャレンジする勇気をくれます。
病気を経験した自分だからできること
私の病名は、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病です。急性白血病は、放っておくと数ヶ月、早い場合だと数週間で死んでしまう恐ろしい病気です。
ですが、私は今こうやって生きていて、好きなことを楽しめるようになるまで回復することができました。
たったの1年と6ヶ月のできごとですが、それはかけがえのない密度の濃い時間でした。健康に暮らしている人には経験できないことをたくさん経験しました。その体験から、今の自分にできること、やりたいことを書き出して終わりにしたいと思います。
わからないものはとても怖い
U.F.O.とかお化けなんかと一緒で、人は自分の知識にないもの、未知のものに恐怖を覚えます。同じように、いきなり「あなたは白血病です」と言われた人は訳も分からずただ怯えることしかできません。
あわててネットで情報収集しようと思って開いたページに、「生存率は20%」なんて書いてあったらもう目も当てられません。
でも安心してください、自分はこうして生きています。自分だけでなく、ツイッターで繋がっているみんなも生きています。治療方法も、きちんと主治医に納得いくまで聞いてから調べるようになると自分で正確な判断ができるようになります。
言いたいことは、「知らないことが怖いのであって、病気は怖くない」ということ。知識を身につけて、病気をきちんと理解することが大切です。
希望の持てる情報を発信したい
私が病気になりたての時は、残念ながらそういった情報を集めようと思うと、膨大な時間ネットサーフィンをして1つ1つを拾って回るしかありませんでした。
治療中の患者の方のブログは、本当にためになります。実際、私の奥さんは何人もの方のブログを今でもこまめに読んでいます。
一方で、自分自身は何を発信していくのか?「患者として日々のことを書けばいいんじゃないの?」確かにそれも伝えていきたいことではあります。
でも、自分がこのブログで一番伝えたいメッセージは、「治療は苦しいけどがんばる」とかではなくて、「白血病になっても、こんなにポジティブに楽しく生きている人がここにいる」という姿勢を見てほしいと思っています。
また、「今から白血病の治療が始まる」、「治療中でこれからのことに不安がある」という人は、ぜひメッセージを送ってください。そんなことできないという人は、ツイッターで(@hiromasa79)を検索してみてください。
僕のプロフィールからフォロワーさんを見てもらうと、たくさんの同じ病気の仲間がいます。一人で悩んでいる時間は辛いし、何も生まれません。一緒に頑張れる仲間を見つけてください。
社会復帰という意味でも、「病気になったから仕事や収入は諦めないといけない」ではなくて、「病気なったからこそ、会社勤めの時より時間も収入も自由になれるんだ」ということ身をもって証明したいです。
キーワード検索で1番になる
まずは、グーグルの検索ワード「白血病 ブログ」で1番目に表示されるようになることが今の目標です。(※2016年11月22日の順位は、137位です。)
よりたくさんの人に自分のメッセージが届くように、情報発信していきます。
同時に、「自分の好きなもの」、「興味のあるもの」にはどんどん積極的にもチャレンジしていこうと思っています。
ただの自己満足でかしかない長文にもかかわらず、最後まで読んでくださって本当にありがとうございました。
私も既に還暦を過ぎて、健康ではないが生命の危険に怯える程ではない。
そんな折にLINEブログであなたのことを知りました。
健常者?にはこの苦労は分からない。と思う。
しかし、あなたの思いは理解できる。と思う。
頑張れ頑張れ!
Line Blogから来ていただいたんですね!
応援ありがとうございます。
頑張る頑張る!
こんばんは!!
10月に父がひろまささんと同じフィラデルフィア陽性急性リンパ性白血病と診断されて
私はネットで調べまくってショックをうけて涙している中、ひろまささんのblogに出会い
とても助かりました!!!!
何もかもが訳がわからないまま入院して
すべての事に不安になり
そんな中blogを読んで
同じ症状、同じ病気、お薬の副作用の症状
そして今とても元気に生活されている様子
新しい情報
父も私達家族もとても助かっています!!
自己満でしかないなんて、そんな事ないです!
是非これからもブログで伝えてほしいです!
このコメントをいただいて、届けたい人に届けたいメッセージが伝わることの喜びを覚えました。
と、同時に、中途半端なことはかけないという責任も感じました。
お父様も家族も、大変な毎日を過ごされていることと思います。特に身内の方は、お体を崩されませんようにご自愛ください。
こんにちは、twitterで約1年前から相互フォローさせていただいております。
私がhiromasaさんをフォローし始めたのは、母が急性骨髄性白血病になったからでした。
hiromasaさんとは少し病気が違いますが、急性の白血病は発覚と同時に余命宣告をされるようなものですよね。母も難治性のものと診断され、2016年の4月が迎えられるかはかなり厳しいと言われていました。
私もいい大人ですが、去年病気が発覚してからの半年は本当に辛い日々でした。
私も色んな方のブログを読み、もう亡くなっている方も多くいなか少しでも希望を持ちたくてリアルタイムで更新されるtwitterの方で病名で検索して闘病中や寛解を保たれている方を探してhiromasaさんのアカウントに出会いました。
記事に引用されているインフォームドコンセントの時期、私もhiromasaさんのTweetを読んで、そんなに大変な状況なのかと絶句し、患者でもなく健康な自分がなんと声をかけていいのかとばかり思っていましたが、今はお元気そうでとても安心しています。
母もおかげさまで再発もなくもうすぐ退院後1年を迎えます。
今後もhiromasaさんの活躍を見守っていきますね!
ツイッターだけならずブログまで読んでもらえてるなんて、本当に嬉しい限りです!
お母さんの件、僕もリアルタイムでやりとりしていたのを覚えてます。1年、2年と健やかに歩んでいかれますように。