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アイキャッチ画像編集:暇モアイ氏
このコラムは、AFP(アフィリエイテッド・フィナンシャル・プランナー)資格を持つ現役のFPに監修してもらい書いています。参照となる資料は、ひろまさの体験したもの・公式もしくはそれに準ずる情報に限り使用しています。
AFP・・・日本FP協会認定資格。FPとして必要かつ十分な基礎知識を持ち、相談者に対して適切なアドバイスや提案ができるFP技能を習得した人に与えられる資格です。
あなたは今何かの病気にかかっていますか?
もちろんこのブログを見てくれている人は、きっと白血病の方やその身内の方も多いと思います。
自分ごとであればあるほど具体的な情報収集するのは当たり前ですが、「これから必要になるかもしれない」という情報については、みんな案外気づいていないか、普段気にもしていないんじゃないでしょうか?
今日扱う内容も、「特定疾病」にかかった場合の高額療養費について、ということで今すぐ必要になる情報ではないかもしれません。
ですが、いざ身の回りで病気になった人が出た場合に、こういう知識を知っているか知らないかという差で損をしてしまうことも多々あります。
ぼくも、このコラムを書くようになって興味の分野がどんどん広がり医療に関する制度や手当全般についての知識がストックされてきました。
「高いお金を出して社労士さんにお願いする」なんてことになる前に、少しづつ覚えていけば意外と自分でなんとかなるもんです。
それではどうぞ。
ざっくり記事を読むための見出し
特定疾病の対象となる病気は?
対象となる病気はかなり限定されていますが、認定されると年齢に関係なく優遇措置を受けることができます。
- (1)血友病:血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固第Ⅷ因子障害、または先天性血液凝固第Ⅸ因子障害
- (2)HIV感染等:非加熱製剤の投与に起因する後天性免疫不全症候群
- (3)人工透析:人工腎臓を実施している慢性腎不全
※(2)のHIV感染等に関しては、薬害による患者に限定されています。
特定疾病の自己負担限度額はいくら?
(1)血友病(2)HIV感染等になると、所得・年齢に関わらず月額10,000円の固定となってます。
(3)人工透析になると、所得・年齢に応じて10,000円もしくは20,000円となっています。
70歳以上であれば、所得に関わらず10,000円です。
70歳未満の場合は、
- 社保 → 標準報酬月額53万円未満
- 国保 → 世帯の加入者全員の所得600万円以下が10,000円
- それ以外 → 20,000円
となっています。
特定疾病療養受療証の手続き
まず初めに、特定疾病の対象になっている病気にかかっていることを、健康保険の運営団体に認めてもらうことから始まります。
「特定疾病療養受療証交付申請書」に医師の証明をつけて提出するか、診断書もしくは医師の意見書を添付して提出します。
すると「特定疾病療養受療証」が発行されます。この受療証を窓口に提示することにより、自己負担限度額以上に窓口に支払う必要はなくなります。
ただし薬の処方が院外(病院と薬局が別)のような場合は、一旦自己負担限度額以上に支払い、あとから高額療養費の支給申請をすることになります。
某ブログ炎上に物申す
長谷川元アナウンサーがブログで「人工透析は自業自得だ!」と言って炎上したのも記憶に新しいと思います。
彼のブログでの、病気とお金にまつわる制度についての言及では、意図して誤解を招くような記述も多々あったことが指摘されています。
そのブログでの記述のように、身体障害者認定や自治体の医療費助成を活用して人工透析の医療費が無料になるケースもありますが、基本的な国の制度としては、上記の1~2万円の自己負担上限額が適用されます。
障害年金制度の活用
また長谷川氏のブログでは、障害年金についても触れていました。
実際に、特定疾病において障害年金制度はどのように活用できるのか?正しい内容を解説していきます。
(※国民年金法、厚生年金保険法等によって定められた社会保障制度の一つ)
初診日から1年6カ月終了後、もしくはその前であっても症状が固定した日を「障害認定日」とし、その日において年金制度で定めている「障害状態」に該当すると認定されればもらうことができます。
詳しくはこちらの回で解説していますので、参考にしてください。
人工透析の場合
さて、人工透析が必要となると週3回・1回5時間程度の通院を一生続けることになります。これが日常生活にも支障をきたすレベルの負担となることは、誰でも容易に想像がつくと思います。
障害年金の等級は1・2・3級とありますが、人工透析の場合は原則2級の障害年金がもらえます。
日常生活への影響が大きいため、障害基礎年金だけしかもらえない場合でも保障されるようになっています。
血友病の場合
血友病の障害認定基準は、(国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第1章 障害等級認定基準 第14節 血液・造血器疾患による障害)に詳細が記載されています。
リンク先のPDFを参照してみると、「2 認定要項」の(7)は白血病等の「ウ 造血器腫瘍群」でなく、「イ 出血傾向群」が該当します。この程度に応じて、1~3級の等級判定がされます。
HIV感染の場合
HIV感染に関しては、平成23年1月31日の厚生労働省通達「ヒト免疫不全ウイルス感染症に係る障害認定における留意事項の追加について」で具体化されています。
年金機構のWebサイトでは公表していませんが、公表している社会保険労務士のサイトもあります。
まとめ
- 「特定疾病」の対象となる病気を知る。
- その場合、障害年金の等級認定はどうなるのかを知る。
特に人工透析は、決して人ごとでは済まされない時代になってきたんではないかと思います。
特定疾病の認定には医師の証明を求められ、さらに障害年金については数カ月に及ぶ慎重な審査が行われるといこともあって、狭き門のように感じてしまいます。
しかしながら、受けられる恩恵は大きく、一定の収入も確保できるようになるので、金銭面での不安は取り除くことができます。
是非覚えておいてください。
では
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