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アイキャッチ画像編集:暇モアイ氏
このコラムは、AFP(アフィリエイテッド・フィナンシャル・プランナー)資格を持つ現役のFPに監修してもらい書いています。参照となる資料は、ひろまさの体験したもの・公式もしくはそれに準ずる情報に限り使用しています。
AFP・・・日本FP協会認定資格。FPとして必要かつ十分な基礎知識を持ち、相談者に対して適切なアドバイスや提案ができるFP技能を習得した人に与えられる資格です。
ひろまさ(@hiromasa79)です。

ざっくり記事を読むための見出し
退職後の任意継続について
任意継続システムの必要性
病気による退職で、次の職につけない(=失業状態)ということになれば、国民健康保険に加入することになります。
そして就職することができれば、勤務先の健康保険に加入することが一般的な流れとなります。
ですが、例えば長年受診してきた健康診断など、健康保険が変わると内容や勝手が変わってしまうなどの不便が出てくることもあります。
「今まで通りにしたい!」
そういった考え方に応えられるように、健康保険の任意継続という制度が用意されています。
任意継続をするための要件
任意継続の申請をするためには、勤務先の健康保険に2か月以上加入している必要があります。
入社後すぐに辞めた場合などは、申請することができません。
また、手続きを退職日以後20日以内に申請をする必要があります。
一旦手続きすると、次の職場で健康保険に加入するまでの間、最大2年間任意継続することができます。
国民健康保険と比較してどちらが安くなるかで選ぶ
国民健康保険と任意継続(勤務先の健康保険)、どちらに加入するかは、実際に毎月支払う保険料がそれぞれいくらになるかを計算して決めます。
任意継続の場合、健康保険健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)など運営団体が色々とあります。
当然、運営団体ごとに保険料率も違ってきます。
住んでいる地域ごとの保険料率格差が激しい
国民健康保険は各市区町村が運営してしていますが、自治体によって保険料率が大きく違ってきます。
驚くことに、一番高い沖縄県の多良間村と一番低い北海道幌加内町を比較すると、6.2倍の格差があったりします。
実際に支払う保険料を計算しよう
実際に支払う保険料は、概ね次のような計算式で求めることができます。
任意継続の場合
退職時の標準報酬月額×保険料率
※標準報酬月額については、こちらの回を参考にしてください。
ちなみに、全国健康保険協会の健康保険だと28万円です。
計算してみます。
例えば次のような場合、
- 前職は福岡県の企業に勤務し、協会けんぽの健康保険に加入
- 年齢35歳(介護保険第2号被保険者には該当しない)
- 退職時における通勤費込の月給額(報酬月額)31万円
標準報酬月額は上限額の28万円となり、毎月の保険料は28,280円になります。
参考:全国健康保険協会・福岡県の保険料額表
在職時は会社負担として保険料の半分を会社が払ってくれています。任意継続になると、この会社負担分もあわせて支払うことになります。
国民健康保険の場合
所得割額+均等割額(+資産割額+平等割額)
※所得割は前年の所得に応じて決まります。
※均等割は1人あたり定額負担になる保険料。
※資産割は固定資産税額に応じてかかります。
※平等割は1世帯あたり定額負担になる保険料。
※資産割・平等割は無い自治体のほうが多いです。
計算してみます。
例えば次のような場合、
- 福岡市在住で、年齢・月給は上記のケースと同じ
- (通勤手当を除外した)前年の年収が賞与込で450万円(給与所得306万円)
- 他の所得はなしで、他の世帯員もなし
毎月の保険料は30,250円になります。
福岡市の方は、下記サイトからダウンロードできるEXCELシートで試算することができます。
(福岡市:保険料の計算方法)
他の自治体でも、このようなシミュレーションできるものを用意しているところもありますので、探してみてください。
※上記のケースでは国民健康保険のほうが高くなりますが、退職理由が倒産・解雇・雇止めによる場合は、10,425円に軽減され逆転します。
任意継続と国民健康保険で迷った時の方法
上記の例は1つのケースであり、あなた自身の状況によってどちらが安くなるかは変わってきます。
自分で判断できず、運営団体に問い合わせしてみないとわからないという方も多いと思います。
これだと、返事を待っている間に20日以内の任意継続手続きに間に合わなくなる恐れがあります。
その場合、まず任意継続の手続きをするといいです。
役所に行けば、国民健康保険に加入した場合の保険料を計算してくれます。
その結果、国民健康保険に切り替えたほうがお得であれば、任意継続をやめればいいのです。
自主的な脱退はできませんが、保険料を期日通りに払わないと強制的に脱退となります。
不納付による脱退は不名誉な感じですが、テクニックとしてはよくある方法なので心配しなくても大丈夫です。
さいごに: ひろまさは失敗したのでこれからの人には失敗して欲しくない!
ぼくは療養期間が長かったため、退職した時はすでに無給で会社に籍を置いているだけの状態でした。
今改めて見てみると、任意継続の支払いは毎月6,500円ほどで済む計算になるのですが、当時は知識がなく「国民健康保険に切り替えた方が安くなる」と大きな勘違いをしていました。
保険料月額表 – 東京実業健康保険組合
(実際に働いていた時に月に20,000円ほどの自己負担だったので、「任意継続だと2倍の40,000円も負担しなければならない!」と勝手に思い込んでいました。)
結果的にぼくは高い保険料を支払う選択をしてしまったので、これから同じような境遇になるかもしれないあなたには失敗してほくありません。
1月7日追記
Twitterののフォロワーさんから有益な情報をもらったので、追記します。
@hiromasa79 私は傷病手当金をもらうためと、自己負担が3万になる健保の補助(自己負担が44000円だと、14000円分補助)があったので、任意継続にしました。
そんな記載があってもいいかも…なんて思いました。
他のとこに記載があったらすみません。失礼いたしましたー。— ゴンザレス@白血病移植後自宅療養中 (@lollipopsonic87) January 6, 2017
大きな保険組合の場合だと“独自の負荷給付制度”によって、さらに自己負担額が安く済むことがあるようです。
参考例:エヌ・ティ・ティ健康保険組合
補助の有無やその内容については、加入している保険の運営団体によって変わってきます。
直接保険組合に問い合わせて確認して見てください。
では
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