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アイキャッチ画像編集:暇モアイ氏
このコラムは、AFP(アフィリエイテッド・フィナンシャル・プランナー)資格を持つ現役のFPに監修してもらい書いています。参照となる資料は、ひろまさの体験したもの・公式もしくはそれに準ずる情報に限り使用しています。
AFP・・・日本FP協会認定資格。FPとして必要かつ十分な基礎知識を持ち、相談者に対して適切なアドバイスや提案ができるFP技能を習得した人に与えられる資格です。
闘病生活になると、治療中の生活・お金はどうするのだろうという悩みがどうしてもついて回ります。

傷病手当金です。
ざっくり記事を読むための見出し
頼りになる傷病手当金
傷病手当金をもらうための要件
私傷病療養のために、
発がん性物質・アスベストを扱っていたなど労働災害によるものであれば、傷病手当金でなく労災給付をもらうことになります。
ただし労災給付はもらうまでに調査があり時間がかかるので、傷病手当金をもらい労災給付が正式決定した時点で返すという方法もあります。
仕事につくことができない
健康保険に加入している勤め先の業務ができないことが要件です。
これは傷病手当金の請求書上で、医師が証明する必要があります。
4日以上続くこと
働けなくなってから、3日間(休日含むので暦日ベース)の待期期間を要求されます。
3日間のうちに治る病気だと要件に当てはまりません。
傷病手当金のもらえる金額
おおざっぱにいうと、給与の3分の2だけもらえます。
月給30万円ならおよそ月20万。
厳密にいうと、1日あたり標準報酬日額の3分の2をもらうことができます。
ただし3日間の待期期間分はもらえず、4日目から最長1年6ヵ月までもらえます。
※1年6ヵ月以内で働けるようになれば打ち切りとなります。
標準日額報酬という考え方
標準報酬日額という言葉は聞きなれませんが、標準報酬月額÷30 として算出することができます。
標準報酬月額は、交通費込み・天引き前の給与によって50等級に分かれています。
例えば、
- 月給63,000円未満なら1等級で標準報酬月額58,000円
- 月給63,000円以上73,000円未満なら2等級で標準報酬月額68,000円
などと給与をランク分けして、ほぼ真ん中の数字を標準報酬月額とするイメージです。
毎月の給与から引かれている社会保険料も、標準報酬月額×保険料率で決められています。
※この場合の標準報酬月額は、支給開始前12ヵ月の平均をとります。
傷病手当金を受け取る際に注意すべきポイントを解説します
減額されるケース
休業中も勤め先から給与をもらっている場合は、傷病手当が減額されます。
例えば傷病手当金が日額8,000円出る計算だとしても、勤め先から日額4,000円の手当が出るのであれば、傷病手当金も日額4,000円に減らされてしまいます。
最大のメリットは退職後でも受け取れること
白血病の場合、病気療養が原因で退職するということも、よくある話です。
その場合下記の要件に当てはまれば、治療中に退職しても1年6ヵ月は傷病手当を受け取ることができます。
・働けなくなったのが在職時である
退職後にから働けなくなった、ということではもらえません。
・退職時に3日間の待期期間は過ぎている
期期間中に退職したら、大変もったいないことになってしまうので気をつけてください。
・退職日までに1年以上職場の健康保険に加入している
残念ですが、1年未満だと短期離職になってしまい受け取ることができません。
・退職日までに1度は傷病手当金をもらっている
・失業給付をもらっていない
という場合でも、失業給付金を受け取ることができます。
傷病手当金申請の手続きの方法
傷病手当金の請求書は基本的に勤め先が提出します。
退職後に継続申請する場合は、自分で健康保険協会や健康保険組合に提出します。
請求書に添付する書類のうち、「賃金台帳」や「出勤簿」は勤め先で用意するものなので心配しなくて大丈夫です。
ケガや交通事故によるものの場合は、届出がもう1枚必要になります。
請求書には医師の証明が必要となるので、本人が医師にお願いする必要があります(1通300円)。
なお国民健康保険では…
ここまで読んで気になった人もいると思います。

あくまでも勤め先からの給与の代わりにもらえる手当金だからです。
自営業者で社会保険に加入できない人は、この保障は適用されません。
個人事業主の場合は、民間の医療保険や所得補償保険の加入を考えてもいいでしょう。
もらえないわけではないけれど
ただし、自分が法人の代表者なら(自分以外従業員0でも)受け取ることは可能です。
結局は社会保険には会社負担(総額の半分)もあるので、給与から天引きされる場合の倍の社会保険料を払うことにはなります。
自分の会社の資金から負担するわけですが、同じ額の傷病手当金をもらうにも、サラリーマンの倍は保険料を負担することになりますね。
あとがき
実際に病気になってみないと、どんな保障が受けられるのかなんて気にする人はほとんどいません。
でも、いつ自分が長期の入院治療が必要な病気にかかってしまうかわからないです。そんな時に少しでも役に立てばいいなと思います。
では
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